＝引っ越し＝

朝ホテルで目を覚ます。身支度を整えて私の持ってきた貴金属は質屋に売り払いにいく。
主人に買ってもらったモノや人から昔、頂いたものだが未練はない。
結婚指輪もその中には入っていた。片方はまだ指にしている人がいるというのにヒドイ女だと
我ながら思う。購入時価200万くらいのものは20万にしかならなかった。
まぁ、いらないモノを売ったのだから良しとした。
昼ごろ横浜の不動産屋へ向かう。契約を済ませ鍵をもらい新居へ車をつける。

歩いてすぐの展望台からはみなとみらいやベイブリッチが見渡せる。
夜景もさぞかしキレイだろう。
難点は階段を上らなければいけないこと。
横浜は高台が多いが私は絶対イヤだった。
でも、森林浴が出来る静かな住宅街には魅力を感じてココにしてしまった。
遠く港を通る船の汽笛も聞こえる。

荷物をめい一杯積み込んだ車から部屋へ荷物をおろす。
玄関から部屋へ荷物を入れるのに1時間もかからなかった。
カラになった車をもう1度走らせ日用品を買出しにいく。
なにしろ蛍光灯もないのだ。
私の愛猫は引越し慣れしている。私は好きな所で住む趣味があったから。
部屋をウロウロとしながら自分の居場所を確認しているようだ。
荷物を運び込んだあとレンタカーを返すまでに時間がある。
日用品も少しでも買っておかなければいけない。
リサイクルショップを探しながら車を走らせた。
RIOは中古で冷蔵庫と洗濯機を買ってくれた。
一緒に買ったシーリングの灯かりは部品が足らず点かない。
吸い込みが弱った掃除機はタダでくれた。ないよりマシなとこかな？
TVも必要なかった。私もRIOもTVがあっても見ない気がした。
日頃からあまり見ないのだ。
何もなくていいと思った。少なくとも今はRIOが側にいてくれる。
すべて買い終わるとレンタカーを前の自宅の近くまで返しにいく。
最寄の駅まで歩きながら新居へ帰る。
近所のスーパーで買い物を済ませ少し落ち着く。明日から荷解きが続くのだろう。
早く生活らしい生活をしてみたい。
私はしばらく家というものから離れていたせいもある。疲れを取りたいと思う。
どうにか夜に布団がひける状態になった。
ベットじゃなくて布団なんて自分でもビックリする。
クーラーは設置してくれたから眠れそうだ。
今日から毎日、隣りにRIOが居てくれる。
その安心感は久しぶりに味わうものだった。