=物件探し=

2002年8月11日
朝、施設を出る。今日でこことはお別れしたい。
RIOと待ち合わせして不動産屋めぐり。
毎日、会えるのは嬉しいけど私は家なき子だ。
もう帰る場所がない。
引越し費用として親戚から、お互い、お金を借りていた。
いつでも越せるが、このお盆中に不動産屋はほとんど閉まっている。
息子と3人で住む前提で物件を探さなくてはいけない。
京急沿線であちこち探しあるく。
炎天下の中、道路が蜃気楼のようにみえる。
濁った空気がうとましい。
小さな裏手にある不動産屋へ入ってみる。
人のよさそうなご主人が対応してくれた。
何件か見せてもらうが気に入らない。
RIOや息子は一戸建てを望んでいた。
土地柄、マンションは沢山あるが一戸建てとなると難しい。
「うーん。。あそこは空いてるかなぁ。でも汚いんだよね。」
そう言いながら、ご主人がゼンリン住宅地図を開いてくれた。
ここの駅から近い。でも坂の上のようだった。
「聞いてみてくれますか?」
空いていたが長いこと誰も入居していないらしい。
あまり気が進まないような口ぶりだけど怖いもの見たさで
その古い物件を見せてもらうことにした。
歩いて駅の反対側の坂道を上がる。
階段は急で私には途中、休まないと上がれないくらいだった。
敷地内にはアパートと大家さんの自宅、そして私たちが見に来た物件が建っていた。
築40年。今でいうテラスハウスのように一戸建てだけど半分づつに分かれて住めるようになっている。
かなり大きな家にみえた。
広い玄関を入ると外見とは似つかず案外きれいにリフォームされている。
部屋に入ると1階部分は6畳2間。台所は8畳くらいあるようだ。
階段を上がり2階へいくと6畳2間に4.5畳くらいの納戸があった。
狭いが洗濯物が干せるベランダもある。
こんな一戸建てへ私は住んだことがなかった。
あまりに不動産屋のご主人が勧めたくないようだったので もっと、お化け屋敷のような家を想像していたが柱がしっかりしており歪みもない。何より欄間が気に入った。
ここなら息子とRIOと3人でも充分な広さだった。
ただ、私は高台が苦手だ。
毎日、この長い階段を上がってこなければいけないなんて恐ろしい。
「少し考えさせてください」
そう言い残して不動産屋をあとにした。
そのままRIOと蒲田にあるホテルへ泊まる。
私はここが好きだった。なんか落ち着く。ビジネスのようなビジネスでないような・・・自分の部屋のような地味なホテルだった。
明日はここから出勤しなければいけない。
夏休みは終わったが、おそらく会社は辞めなければいけないだろう。
いつ夫が押しかけてくるか解らない。
本当に1つ屋根の下、3人暮らせる日がくるのだろうか?

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